デメリットの少ない債務整理方法について

・借金がかさんでいるので債務整理をしたい
・債務整理をしたら,いろいろな不利益が及ぶのでは?
・なるべくデメリットの少ない方法で借金問題を解決したい

債務整理の種類には,①裁判所を介さずに和解交渉を行なう『任意整理』,②裁判所に申立てを行ない負債をなくす『自己破産』,③裁判所に申立てを行ない負債を圧縮する『個人再生』の3種類があります。

世間一般には債務整理というと「生活再建のための最後の手段」と考えられており,「デメリットが多い」という漠然としたイメージを持たれておりますが,実際にはさほど大きなデメリットはありません。

今回はこれらの手続きに関するデメリットについて,恵比寿の弁護士が解説します。

1.債務整理に共通するデメリット

債務整理をするなら覚悟しておかねばならないデメリットがあります。それは信用情報機関に「事故情報」が登録されることにより,ローンやクレジットを利用できなくなることです。世間一般では『ブラックリストに名前が載った』などと言われております。

債務整理をすると,JICCやCICなどの信用情報機関に「事故情報」と呼ばれるネガティブな情報が登録され,その後一定期間ローンやクレジットカードの審査に通らなくなります。事故情報は5~10年間記録されるので,キャッシュレス推進が謳われる現代社会においては不便な生活を強いられるようにも思われます。

とはいえ,クレジットカードの代わりとして,銀行(金融機関)が発行するデビットカード(その銀行の口座残高を利用限度額とし,カード利用時に口座残高から即時引落しがなされるカード)や事前チャージタイプの電子マネーなどを利用することはできます。クレジットカードと紐づけられるETCカードについても,銀行口座と紐づけられるETCパーソナルカードという代替手段を使用することができます。

このように現代社会ではいろいろな代替手段があるので,致命的なデメリットにはなりません。

2.もっともデメリットの少ない任意整理

債務整理手続きの中でももっともデメリットが少ないとされる方法は「任意整理」です。

任意整理とは,債権者と直接交渉をし,①長期の分割支払,②将来利息のカット,を盛り込んだ和解を成立させる手続きです。

合意後は利息が発生しないので,任意整理をしない場合と比べて総返済額を大きく減らすことが可能です。

任意整理は,ほかの債務整理手続きに比べて費用が低額で済みます。また,任意整理は,裁判所を介さない手続きであり,①依頼者の方に収集していただく書類などはほとんどなく,②家族にも知られにくく,③所有財産を処分することもありませんから,依頼者においての負担はほとんどありません。

ただし借金の元本を減らすことはできないので,分割払いをするだけの資力の無い方,多額の借金のある方にはできません。

3.実はデメリットの少ない自己破産

世間一般でのイメージでは自己破産にはデメリットがたくさんあると思われているものです。しかし,実は世間一般で思われているよりもデメリットは少ないです。

3-1.実は財産が無くならないケースも多い

たとえばあなたは「自己破産をすると財産がなくなる」と思っていませんか?

実は自己破産をしても,例えば現金であれば99万円までは手元に残すことが可能です。また,預貯金についても20万円までは換価対象とはなりません(東京地方裁判所の運用ルールによる)。他の財産についてもその価値(評価額)によっては換価対象とはなりません。また,換価対象となるようなものについてもそれを維持しなければならない事情がある場合には残すことができることもあります(ex.高齢者の生命保険)。このあたりはケースバイケースなので弁護士に確認してください。

3-2.他人に知られてしまう

また,世間一般では破産したことが住民票や戸籍謄本に載ると思われているようですが,この点も誤りです。

住民票や戸籍謄本に記載する欄はないので,破産したという情報がこれらの公的書面に破産情報が記載されることはありません。

なお,破産をすると破産者の本籍地の市役所に通知され,破産者名簿にその事実が記載されますが,この破産者名簿は,破産者でないことの身分証明書を発行する際に使用されるものであり,第三者(一般の人)が閲覧する事はできません。また,免責決定が確定し,復権すれば,破産者名簿からは抹消されます。

3-3.自己破産のデメリット

それでは自己破産のデメリットとしては何があるのでしょうか。自己破産には以下のようなデメリットがあるといえます。

①一定の資格や職業が制限される

②手続き中,引っ越しや長期旅行を制限される可能性がある

③ギャンブルや浪費などが原因で借金していると厳しく審査され,事情によっては免責されない(借金を免除されない)可能性がある

①については,破産者である間だけ,具体的に言えば破産の開始決定が出てから免責許可決定の確定までの期間において制限されます。この期間はおよそ3~6ヶ月です(申立裁判所や申立書の内容により変動する可能性あり)。

②については,よほどの事情がない限り,事前に裁判所・管財人に申告すれば許可が下ります。

③については,借金を作ってしまった事情からすれば当然のことです。なお,『借金を免除されない可能性がある』だけであり,過去に行なった行為に対し現在反省し,生活態度を改めていることをしっかりと説明すれば,ほとんどのケースで免責決定(借金を免除するという決定)がでております。

4.個人再生手続き

債務整理手続きの3つ目,個人再生手続きについて説明します。

個人再生手続きは,自己破産と同様,裁判所を介して行う法的整理手続きですが,自己破産と比べ,以下の点が異なります。

①借金をなくすのではなく,一定割合に圧縮(基本は5分の1だが,総負債額や清算価値等によって割合は変動)し,3~5年間で支払う。

②自己破産にあった「資格制限」がない。

③原則として財産の換価処分は行なわれない(清算価値に計上する必要あり。清算価値が高額となった場合,個人再生手続きにおける返済額が変動することがある)。

④住宅ローンを支払中の自宅について「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用すれば維持することが可能。

このように破産手続きとは異なるデメリット(①)とメリット(②~④)があります。

5.最後に

債務整理をしようかどうか迷っているなら,一度弁護士に相談してみてください。デメリットも含めて丁寧に説明とアドバイスを致します。

借金問題は解決できるものなので,お一人で悩まずに勇気を出してその一歩を踏み出しましょう。

 

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