勤務中のメール送信記録に基づいて残業代を請求し、相当額の残業代を支払わせた事例

事案の概要

Aさんは、アシスタントとしてB特許事務所に勤務していましたが、勤務時間が長時間なのに残業代を認めてもらえないことから、同事務所を退職して未払賃金(残業代)を請求することを決意し、当事務所に訪問されました。

解決までの流れ

B事務所にはタイムレコーダーがなく、これに代わる出退勤の記録もありませんでした。そこで、過去2年間にAさんがメールを送信した記録や、タクシーの呼出履歴から毎日の終業時刻を推定して残業時間を算出し、これに基づいて算定した未払賃金をB事務所に対して請求しました。

B事務所は、未払の残業代を支払うことは認めましたが、こちらが主張する残業時間数は争いました。メールの送信場所が事務所とは限らない、メールの送信前までずっと事務所にいたとは限らない、事務所からタクシーを呼んだとは限らないなどという理由でした。

何回かの交渉協議の末、B事務所はこちらの請求額の6割を一括支払するという内容で双方が妥協し、Aさんに対して支払われました。

コメント

残業代請求では、基礎賃金の算定資料(給与明細、就業規則など)、残業時間数の裏付け資料(出退勤管理票など)その他諸々の資料2年分が必要ですが、必ずしも労働者側の手元にそれらが揃っているわけではありません。本件でも、終業時刻を特定する直接の証拠がありませんでした。そのような場合でも、手持ちの資料(本件では、主にメールの送信記録)を活用して、残業代請求額をできる限り信頼性の高いものにする工夫が必要です。

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