婚姻費用分担額の算定において、義務者が両親を扶養しているという事情が認められなかった事例

事案の概要

Mさん(夫)とSさん(妻)は夫婦仲が悪化し、Sさんが家を出る形で別居するに至りました。Mさんは、当事務所に依頼して離婚を求める調停を申し立てました。他方、Sさんは、婚姻費用の分担を求める調停を申し立てました。

Mさんは、婚姻費用の分担に関して、年老いた両親を養わなければならないことを理由に、婚姻費用分担額を標準的な金額よりも減額することを求めました。

解決までの流れ

事件は調停から審判に移行しました。裁判所は、婚姻費用の分担は夫婦間の生活保持義務に基づくが、子の親に対する生活扶助義務はそれと同列ではないから、両親を扶養しているという事情は婚姻費用分担額の算定において考慮すべきではないとして、Mさんに対して標準的な婚姻費用分担額の支払を命じました。

コメント

配偶者に対する婚姻費用分担義務は、親に対する扶養義務に優先するというのが民法上の原則です。婚姻費用分担額を算定する場合においても、この原則が適用され、妻に対する分担額を減額する理由にはなりません。

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