夫が自宅を建築した際に親から受けた資金援助額相当分が、特有財産と認められた事例

事案の概要

Y女は、夫であるXさんに対して離婚訴訟を提起し、Xさん名義の自宅建物の財産分与を請求しました。ところで、Xさんはこの自宅建築時に親から資金援助を受けていました。そこで、Xさんから依頼を受けた当事務所は、①Xさんが受けた援助は、親からの借入れであるから、財産分与額の算定において、親からの借入額を負債に計上すべきである、➁それが認められないとしても、親からの援助部分は特有財産であるから、分与対象から除外すべきである、と主張しました。

解決までの流れ

裁判所は、親から資金援助を受けたことは認めましたが、これを借入れとは認めませんでした。その結果、援助額相当分は特有財産とされ、特有財産相当額を分与対象から除外することが認められました。

コメント

親からの援助を受けてマンションを購入したり、建築資金に充てたりすることは、珍しいことではありません。

これが借入れであると認められれば、夫婦の共有に属する負債の一つになり得ます。しかし、借入れであることの証明は困難で、借用証だけでは足りず、返済方法の約定や、返済の事実など、事業者と行う金銭消費貸借契約と同等の厳格さが要求されます。

これに対して、資金援助を受けたこと自体は比較的容易に証明できます。それによって援助額相当分は特有財産であると認められ、その限りで、夫婦共有財産の額を減少させることができました。

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