年金分割条項の文言の不備で合意分割が認められず、その損失分を弁護士賠償責任保険に基づく保険金で補填した事例

事案の概要

Nさん(妻)とAさん(夫)は協議離婚をすることになりました。NさんにはK弁護士が付き、協議を進めた結果、離婚が成立しました。年金分割については、離婚協議書で「分割割合を0.5とするよう協力する」との条項が規定されました。しかし、一人で年金事務所を訪れたNさんは、この条項では合意分割は認められないと言われ申請を受理してもらえませんでした。Nさんは、Aさんに、二人で年金事務所へ行く必要があると申し入れました。ところが、申入れの直後、Aさんは急死してしまいました。

解決までの流れ

当事務所は、年金事務所との交渉、行政不服審査請求、不作為の違法確認訴訟などを試みましたが、功を奏しませんでした。問題は、「分割割合を0.5とするよう協力する」とした文言にありました。「分割割合を0.5とする」としていればこのような問題は起きなかったのです。ここまでくると、離婚協議書を起案したK弁護士の責任を追及せざるを得なくなりました。当事務所は、弁護士賠償責任保険に基づく保険金を請求することにしました。弁護士会は、当初は消極的でしたが、最終的にはK弁護士の賠償責任を認めました。

Nさんには、合意分割が認められていたとしたら受け取れたであろう年金相当額の保険金が支払われました。

コメント

夫婦が離婚する場合、年金分割条項は忘れてはならないものの一つです。この条項の文言は確定的でなければなりません。「分割割合を0.5とするよう協力する」などのような曖昧な表現ではなく、「0.5とする」と確定的に表現しなければなりません。

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