労災事故に基づく損害賠償請求訴訟において、請求金額の2%の金員支払で和解した事例

事案の概要

T社は鋼管の製造販売を業としています。O運送会社は、T社倉庫で鋼管をトラックに積み込み、販売先まで運搬する業務を請け負っていました。Sさんは、O社の従業員で、鋼管の積込作業と運転業務に従事していました。ある時、Sさんは、トラックの荷台の上で積込作業中に足を滑らせ、トラックの荷台から仰向けに転落して後頭部を強打して頸椎損傷の傷害を負い、後遺障害として下半身麻痺が残りました。Sさんには労災補償が支払われました。
Sさんは、転落の原因は、T社の従業員がクレーンで釣り上げた鋼管の束がSさんに接触しそうになったために、これを避けようとしてバランスを崩して足を滑らせたことであり、クレーンの誤操作が原因であるとして、T社に対し、労災補償では補填されない分として4500万円余りの損害賠償請求訴訟を提起しました。
T社は当事務所に防御を依頼されました。

解決までの流れ

当事務所は、クレーンの誤操作はなかったこと、Sさんがクレーンの動作中にもかかわらず誤って鋼管の束に近接していたことによる自損事故であること、ヘルメットの紐を締めていなかったために落下中にヘルメットが脱げたことなど、Sさんに対する反論を主張しました。
審理では、事実上の現場検証も実施され、T社に有利に展開しました。しかし、結局、裁判所の勧めを受け入れ、請求金額の約2%相当の100万円を支払うことで和解が成立しました。

コメント

労働災害において、労災補償や労災保険給付の額を超える損害を被った場合、被害者はその超える部分について損害賠償を請求することができます。これは、使用者以外の者に対して請求する場合でも同様です。

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