貸金について、所在不明となった債務者の所在を特定し、債務弁済協定を成立させた事例
事案の概要
AさんはBさんに60万円を貸しましたが、Bさんは返しませんでした。その後、Bさんは行き先を告げずに転居したため、所在不明になってしまいました。Bさんに電話を掛けようにも着信を拒否されて連絡が取れなくなりました。困ったAさんは、当事務所に相談に来られました。
解決までの流れ
当事務所は弁護士会照会を申請し、電話会社に対してBさんの電話番号に付帯する個人情報の照会を求めました。これに対して電話会社はBさんの住所を回答しました。
次いで当事務所は、そのBさんの住所について住民票を取寄せました。それにより、Bさんの住民票上の住所が判明しました。
そこで、当事務所は直ちに内容証明郵便でBさんに対し貸金の返還を催告しました。これに対してBさんから連絡があり、債務の存在は認めるが、資力がないことを理由に一括全額支払は困難との回答がありました。
当事務所はAさんの了解を得て、貸金の返済を20回に分割して毎月3万円ずつを支払うという弁済協定を結びました。
コメント
弁護士が関与すれば、所在不明者の所在が判明することがあります。本件もその一例です。
Bさんに対する催告に対してBさんが支払に応じない場合、だからと言って訴訟を選択しても、回収の実が上がるとは限りません。本件の解決は訴訟のコストを掛けないで回収を図るための次善の策でした。