キャンピングカーのタイヤバースト事故について、バースト事故は通常予想することができない事故ではなく、また、設計上の欠陥や指示・警告上の欠陥もないとして、カービルダーの製造物責任が否定された事案
事案の概要
Oさんは、キャンピングカーを運転中にトンネル内でタイヤがバーストして側壁に衝突した事故により重傷を負いました。Оさんは、キャンピングカービルダーであるV社を相手取って製造物責任に基づく損害賠償請求訴訟を提起し、本件バーストは通常予想することができない事故である、より具体的には、設計上の欠陥(タイヤに対する過負荷、タイヤの選択ミス)、指示・警告上の欠陥(適正空気圧に関する情報の欠如など)があると主張しました。
解決までの流れ
V社の依頼を受けた当事務所は、本件事故は通常予想することができないとは認められない、また、タイヤに対する負荷は許容範囲内である、タイヤはベース車両メーカーが装着した物でV社は選択していない、適正空気圧の算出方法を提供していると反論しました。
裁判所は、当事務所が提示した反論をすべて認め、Оさんの請求を棄却しました。
コメント
製造物責任訴訟にあっては、原告は「適正な範囲で使用していれば通常予想することができない」事故であることを主張立証すれば足り、被告が欠陥の不存在を主張立証する必要があります。本件では、本件車両の使用状況やキャンピングカーの特性によるタイヤへの負担、タイヤの寿命に関する知見等に鑑みれば、事故当時の運転方法が適正であったとしても、本件バースト事故が通常起こりえないとは評価できないことを証明し、責任を免れることができました。