器物損壊についての損害賠償と情報提供を内容とする調停に代わる決定がなされた事例

事案の概要

Aさんの弟、Bさんは精神に疾患を持っていました。
ある夜、Bさんは隣家のCさんから加害行為を受けていると妄想し、Cさん宅の窓ガラスを壊して侵入し、暴力を振るおうとしました。すぐに警察が駆け付け、Bさんは措置入院になりました。

Cさんは、AさんとBさんに対してはガラスの修理代のほか慰謝料100万円の連帯支払、Aさんに対してはBさんの行動を監督することを要求しました。

AさんとBさんは当事務所に交渉を委任されました。当事務所の聴き取りに対し、Aさんは拒否、Bさんは自分も被害者であり相殺すると回答しました。

当事務所の拒否回答に対し、Cさんは訴訟を提起しました。

解決までの流れ

当事務所は、Aさん、Bさんと改めて協議しました。
Aさんは、行動を監視することは拒否するが、不穏な行動を起こすと分かったときに情報提供するくらいのことなら約束してもいいとの考えでした。一方、Bさんに対しては、ガラスの修理代を賠償する義務は免れない、Bさんの受けた被害と相殺することはできないと説得しました。
この内容をCさんに伝えると、Cさんも同意しました。

事件は調停に付され、調停に代わる決定という方法で決着しました。

コメント

本件では、Bさんの意思が強固で和解を成立させることが困難でした。もっとも、Bさんも裁判所の判断には従うという意向であったので、裁判所に上申し、付調停の上、調停に代わる決定を下すという方法を取りました。

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