コンサルティング契約において、成果物が第三者の著作権を侵害しないことを保証するとの条項を免れた事例

事案の概要

コンサルティング会社であるA社は、B社の依頼によりコンサルティングを請け負うことになりました。
実施に当たり契約を締結することになりましたが、B社から、A社が提供するコンサルティングの成果物が第三者の著作権を侵害しないことを保証するよう求められました。
この保証はA社にとって負担であり、A社はこれを免れることはできないかと当事務所に相談に来られました。

解決までの流れ

著作権は、特許権と異なり公表が権利の発生要件になっていません。
どこに、誰の、どのような著作権が発生しているかは、完全には調べられないということが与件となっています。したがって、A社が作成し、B社に提供する成果物が他人の著作権に抵触しないかどうかは調べけれません。
A社はこのことをB社に強く訴えかけ、結局、「A社はコンサルティングの成果物が第三者の著作権を侵害することのないよう最大限の注意を払う。」という文言でB社の了承を得ました。

コメント

「成果物が第三者の著作権を侵害しないことを保証する」という条項がなくとも、成果物が第三者の著作権を侵害する場合には、その成果物は契約に適合しないこととなり、提供者は請負人としての担保責任を負います。
したがって、本件のように免責特約を得ることは、コンサルティング契約に限らず、何らかの情報成果物を提供することが契約内容になっているときは、提供する側にとって有益です。

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