特許の商業的利用可能性を検討するための検討期間中であっても、各当事者が第三者との間で同種の検討・交渉を行うことを許容した事例
事案の概要
A社は、B社が保有する特許の商業的利用可能性を検討するために、特許に関連する技術情報をB社から提供してもらうこととして、B社と秘密保持契約を締結することになりました。
ただ、B社は、A社が検討中であっても、他社からの引き合いがあればそれに応じることができるようにしておきたいと要望しました。
一方、A社も、B社技術の検討中であっても、並行して他社との間で同種技術の検討や開発ができるようにすることを希望していました。
解決までの流れ
そこで、秘密保持契約の中で、A社もB社も秘密保持義務を順守する限り、他社との間で同種・類似の検討・交渉や、共同開発・研究を行っても構わないという規定を設けることにしました。
コメント
この事例とは逆に、一定期間、他者との交渉を禁止する条項もあり得ます。
ただ、禁止条項に違反した場合、差止請求は認めるべきではなく損害賠償に止めるべきと考えられます。